2016.5.29

【本レビュー】けもの道の歩き方

このり このり
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山に入る日にかぎって雨が降る、雨女です。まだ、梅雨入りじゃないのに…
晴耕雨読と言う言葉があるように、最近本読んでます。

 

今日読んだものは、

「けもの道の歩き方」(著)千松信也

猟師さんが書いた本です。千松さんは、大学在籍中にわな・網免許を取得。今は、運送業のかたわら猟をしています。本の内容は、猟師さん目線の動物のこと、狩猟生活のことなど書いてあります。

 

読んだ感想は、

1.人間って身勝手だな

2.私が想像した猟師さんと著者が違うこと

って思いました。それぞれ詳しく書いていきます。

 

1.人間って身勝手だな

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山を見て森が豊かだなぁって思うことありますよね。でも、人工林で人間の手で作ったものです。本の中には下記と書いてあります。

 

日本の森は一部の原生林を除けば、人間が積極的に利用・改変してきた森ばかりだ。散々人間が手を加え、アンバランスな状態にしておいて、そのまま放置するのは、「自然保護」ではなくむしろ「自然破壊の継続」だろう。

 

価格の安い海外の木材が輸入されるようになって、日本の木材は使われなくなり、手入れされていない森も多いです。手入れされなくなると、日差しが入らなくなり、動物の食べ物がほとんどありません。動物は食べ物を求めて里山におりてきます。
畑の作物を食べたり、車との交通事故になりします。自然保護をする意味で、間伐する必要があります。

 

また、オオカミが絶滅したのでイノシシ、シカの捕食動物がいません。数の調整をするために、猟師が必要です。

 

原生林に手を入れたのは人間で、人工林を放置しているのも人間で、オオカミを絶滅させたのも人間で、それで増えたシカとイノシシを殺すのは、動物からすれば身勝手な話です。でも、猟師さんがいなければ大変なことになります。この矛盾を千松さんも書いてあります。

 

数を増えすぎるのはシカにとってもよくない。でも、森の中で山野草を食べつくすシカに悪意はない。山で出会ったシカに見つめられたとき、後ろめたい気持ちになるのはいつも決まって僕の方だ。

う〜ん。シカに見つめられることは、まだないですが後ろめたくなるのかなぁ。

 

2.私が想像した猟師さんと著者は違うこと

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猟をすると、絶対にどこかでトドメを刺さなければなりません。銃の免許を持っていれば、銃で。持っていなければ棒で急所をどつきます。

 

私のイメージしていたベテラン猟師さんは、魚を釣ってさばくような感覚かと思ってました。つらいと言うより命をいただきますという感覚が強いのかなと。

 

先日、私は初めて屠殺現場を見ました。民家に出たアナグマでした。よく見ると、かわいい顔をしています。人間の身勝手な理由で殺されちゃうんだと悲しい気持ちもちょっとなりました。気持ち悪くなったり、泣いたりはしなかったですが、何とも言い難い感情が出てきます。これは、初めてだからで、いつかは慣れるのかと思ってました。

 

本では、千松さんの葛藤が書かれています。

わなにかかった獲物にトドメを刺すときは今でも様々な感情が頭をよぎる。命を絶つ技術は上達しても、殺すことには慣れないように思う。

 

ベテランになっても、そんな気持ちになると知っただけでホッとしました。ずっとこの気持ちに向き合っていくんだと思います。

 

まとめ

大雑把にまとめると、猟師さんって色々な気持ちで動物、自然と見つめている!という事です。

 

重たい内容をつらつらと書きましたが、それは一部で、カラス、スズメなどの動物のことも書いてあります。

図書館、本屋さんに置いてあったら、手にとってみて。ちなみに、アマゾンのレビュー評価も良かったです。

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